6月12日から14日にかけて幕張メッセで開催されている「AWS Summit Tokyo 2019」の初日(Day1)に行ってきた。こういう大規模なカンファレンスに参加するのは初めてだったけど、いろいろと学びが多かったので少し振り返りをしようと思う。
印象に残ったこと
最初の基調講演から出席し、18時頃まで複数のセッションを聴講した。その中で個人的に気になったワードをざっくり羅列する。
- AWSの今年の年間予想売上は約3.3兆円(108円換算)
- 第1四半期は前年比40%以上の成長
- クラウド利用者の2人に1人はAWSを利用
- 各リージョンは2つ以上のアベイラビリティーゾーン(AZ)で構成
- 同リージョンで別AZの連携・冗長化は簡単に可能
- 提供しているデータベースの種類の多さ(RDS、Aurora、DynamoDB…)
- 専用ネットワーク(AWS Direct Connect)の利用/LGWANとの直接連携
- クラウドの監視運用はエラーの有無よりも「いつもどおり動いているか」
今回のAWS Summitには事前に3万人以上から参加申込があったそうだ。実際に会場はもの凄い人で、私が参加した講演やセッションはどれもほぼ満員だったし、企業ブースもかなり賑わっていた。基調講演の冒頭では演者の余興(ダンス)もあったりして、今更ながらAWSの勢いを肌で感じた。
また、これまで自分の中のクラウドへのイメージは「インターネットの向こう側にあるサーバ」だった。確かにEC2などはそうだし、今このサイトを動かしているGoogleのGCEもそう。でもそれは特徴のほんの一部で、むしろクラウドとは「サーバなどのハードウェアを意識させないもの」と言ったほうが正しいことに気が付いた。
これまで物理的なサーバ上に1つ1つ構築していたアプリの実行環境や運用ツールが、クラウドでは「サービス」として出来上がっている。講演では「クラウドによってハードウェアとソフトウェアの境界線がなくなる」という表現をしていたけど、ハードウェアやネットワークの制約を受けることなく、必要なソフトウェアだけを選択して使える時代が到来していることを初めて理解した。
しかもクラウドはオンプレミスに比べてリソースや時間の制約が圧倒的に少ない。オンライン上で、必要な機能を必要なときに必要なだけ使える。これほど便利なことはない。
加えて、AWSは提供しているサービスが既に160以上もあるらしい。基調講演で社長が「全ての機能は顧客からの意見をもとに拡張している」「AWSは顧客体験によって成長し続ける」ということを繰り返し発言していたのが印象的だったけど、要はユーザの希望を何でも実現できる環境が整っているということ。それで価格も安いなら、もうみんな深いこと考えずにとりあえずAWS使えばいいじゃんと思ってしまった。
今更ながら思ったこと
AWSが始まったのもクラウドやSaaSなどの言葉が世の中に広まったのもだいぶ昔のことで、こんなことに気付くのはほんと周回遅れ(それも10周くらいの)だけど、今更ながらAWSはこれまでのシステム構築を大幅に変える破壊的なイノベーションなのではないかと強く思った。
世界シェアや提供サービス数も凄いけど、何より顧客が必要とする機能をすぐに実現できる企業体制や技術力は、簡単に真似できるものではない。それだけで、Googleを含めたクラウド他社が追いつくのは当分先だろうと思わせる唯一無二の強みを感じた。
と同時に、インフラエンジニアとして自分自身の将来に強い危機感を持った。これまでオンプレミスの構築運用ばかり経験してきたので、クラウドの知識があまりにも少ない。長年オンプレミスのメリットとされてきたオフライン環境も既にAWSの専用ネットワーク(AWS Direct Connect)で実現できるようだし、今後クラウド化の流れはさらに加速するだろう。今後もこの業界で働くなら、置いていかれないように今からでも頑張らねばと思った。まずはAWSの資格勉強でも始めよう。
おわりに
そんなこんなで、初めてのAWS Summitはとても刺激的な場所でした。来年はより知識を付けて、クラウド初心者から中級者になって参加したい。
(写真は会場でもらったノベルティとか。シャイなので(?)あまりがつがつできなかった…)