タイトルのとおり…なんだけど、おすすめ映画記事ってたくさんあるから、少し差別化を図るためにマイナーな作品に絞って紹介する。ただそうすると「マイナーの定義」が曖昧だったり、紹介するからには客観的な面白さも重要だと思うので
- 日本での興行収入が約10億円以下
- IMDbの評価が8.0程度(2019年3月21日時点)
という条件で選んだ。あとたくさん選んでも読まれないだろうから3作品だけ。まあそこまで映画観てないだけともいう…。
V フォー・ヴェンデッタ (2005年)
とりあえず最初の5分観てほしい。そしてV(ヴィー)役のヒューゴ・ウィーヴィングに惚れなかったらそこで止めていい。ただし少しでも魅力的に感じたら、ストーリーはともかく彼の演技だけで元は十分とれるから最後まで黙って観てほしい。そんな作品。
なんだろう、声が良いのかな。バットマンとかスパイダーマンとか仮面ヒーローモノって他にもあるけど、顔を隠した演技が映画全体の価値を高めてると思ったのはこの作品くらいかもしれない。
マトリックスのエージェント・スミス役も良かったけど、今回は主役ということもあって格好良さが格段に上がっている。何より銃を持つ敵に全て剣(ナイフ)で対抗するという設定がクールだし、戦闘シーンもウォシャウスキー姉妹らしさ全開の演出で、マトリックスを楽しめた人なら高確率でヒットするのではなかろうか。
なお、ヒューゴの存在を特別なものにしているのは、ナタリー・ポートマンの演技であることに異論はないと思う。昨年のインタビューでは続編を希望しているようで、公開から10年以上経った今でも思い入れが強い様子。個人的には綺麗なラストだったから続きはいらない気もするけど、ストーリーも演技も、アカデミー主演女優賞を獲ったブラックスワンより本作のほうが圧倒的に好き。
ドラゴン・タトゥーの女 (2011年)
007のカジノ・ロワイヤルを観て、興奮冷めやらぬうちにダニエル・クレイグの関連作品を漁ってたら出会った。確か。あれ、逆だったような気もする。
相変わらずクレイグは格好良いのだけど、本作に関していえば、もうね、リズベット役のルーニー・マーラがすごい。やばい(語彙力)。いやでも本当に語彙を失うくらい、彼女の覚悟というか魂を全て捧げたかのような演技に魅了されてしまって、この作品を観た後では他の映画がお遊戯にみえるかもしれない。少なくとも素の彼女をみても同一人物だとは全く気付かないだろう。
ただし、内容はサイコサスペンス、監督はファイト・クラブやゴーン・ガールのデヴィット・フィンチャー、と聞いて「あぁー…」となる人がいたら、変な期待を抱く前に視聴を止めたほうがいいと思う。間違いなく想像どおりの展開だから。個人的には好きな部類だけど、好みが分かれることは理解できる。
昨年に続編「蜘蛛の巣を払う女」が公開されたことで本作を知った人も多いかもしれない。ただ監督が変わりキャストも一新されているため、続編の評価に関わらず別物と捉えて観てほしい。
インターステラー (2014年)
これをマイナー作品枠に入れていいのか正直悩んだ。3日悩んだ。でも日本での興行収入が12億円(Wikipedia調べ)と思いのほか低かったので結局選んでしまった。おかしい…自分の周辺では桁1つ違うくらい盛り上がってた印象なんだけど、観測範囲が狭すぎたのだろうか。
よくある宇宙を舞台にしたSF映画。でも確実に他のSF映画とは違う何かがある。おそらくそれは、この作品が「科学」と「愛」という相反するテーマを追求した点だと思う。
科学の部分は他のレビュアーも散々言及しているけど、SF(サイエンス・フィクション)なのに様々な事象が現代の理論物理学に基づいて忠実に描かれている。また、作中ではいくつも重要な選択と決断を迫られるが、宇宙にいる以上、やはり論理的な解釈や客観的な事実が重視されて進行する。
にも関わらず、この作品は非科学的な「愛」を抜きには語れない。親と子や恋人同士、人類に対する普遍的なものから、どういうわけかAIロボットにまで感じる愛に、最後は救われることになる。
科学は人を助けるが、人と人を繋ぐことができるのは愛しかない。本作のクリストファー・ノーラン監督といえばバットマン3部作やインセプションが有名だが、その中でも特にメッセージ性の強い作品だと思う。
まとめ
選んだのは3作品だけど、いずれも監督(脚本)、主要キャスト、ジャンルが被らず、我ながら良いチョイスだなと思う。何より紹介した作品はもちろん、その監督やキャストが関係する他の映画も好きなものが多い気がする。マトリックス、007、インセプションなどなど。
この中から一番を選ぶのは難しいけど、事前に読み漁った他のブログでは誰も「Vフォー・ヴェンデッタ」を推してなかったから、今回あえて最初に紹介してみた。ぜひ多くの人に観てもらえたらと思う。