出世

先日の飲み屋での話。

「俺が頑張らないと会社が潰れる、だからこの会社にいる以上、出世する以外の選択肢はない」という同い年の言葉にただただ感心した。

以前同じ職場で働いていた彼は、今は別の職場でマネージャのようなことをしている。仕事を回し、委託元から信頼を得て、雇用を増やす。さらには、運用を軌道に乗せた後の引き継ぎのことまで考えていた。いやいや、優秀すぎるだろ。

能力のことはいったんさておき、自分も、最近よく将来のことを考える。今の会社にさほど不満はないし辞める予定もないけれど、今後自分はこの会社で一体何がしたいのか。何になりたいのか。退職するとき、最終的にどんな立場でありたいのか。

映画のシン・ゴジラでは官僚の一人が「出世は男の本懐」と断言していた。個人的に好きなシーンだし少し羨ましくもある。でも、自分の会社人生には似合いそうにない。会社の諸先輩方をみていても、出世は面倒、というのが正直な感想だ。

決して、仕事に消極的なわけではないし、会社にもできる限り貢献したいと思っている。上司からの期待にも応えたい。その過程で、より仕事の能力も上げられたらいいとも思う。ただ、出世したいわけではない。

そんな考えを持っていたけど、冒頭の言葉を受けて、要するに自分は他人に期待しているだけかもしれない、と思った。言われてみれば確かに、他の人がやればいいという考えが、どこか根底にある。ありがたいことに(?)いわゆる大企業で、自分でなくても、より優秀で、出世したいやつなんて周りに沢山いる。

出世はしたいやつがすればいい。それでも会社は潰れないだろう。ただその場合、このピラミッドの上階層にいくしかない仕組みの中で、自分は結局何になりたいのかという問いの答えは、やはり見つからないままだ。

子供の頃ならまだしも、こんな歳になっても将来のことで悩むとは思ってなかった。学生で終わりと思っていた勉強も結局社会人になってからも続くし、大人になったら解放されると思い込んでいたことからあまり逃れられていない気がする。

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